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革クラフト・和裁・洋裁・編み物・手芸などの手作り作品紹介。今まで作りためたモノを少しずつ紹介していきます。「手作りに見えない手作り」が目標です。

フルート公開レッスンを聴講して

フルート公開レッスン

先月、友人からチケットをもらった。ドイツ人フルート奏者で指導者のウルフ=ディーター・シャーフ氏の公開レッスンだった。とてもすばらしい企画だった。こういう公開レッスン(特に外国人の指導者の場合)は先生・生徒・通訳・伴奏者みんなのハーモニーが成功のポイントに思う。それぞれの想いがかみあっていなければ、うまく回らないし伝わらない。それが、今回はしっかり歯車が噛み合って、生徒さんも先生の指導を理解し、演奏に反映させ、それを客席に届けた。とてもわかりやすかったし、先生の熱い想いも伝わってきたし、それが生徒さんの音に現れていて、感動的だった。

先生は表現することを常に求める情熱的な演奏・音だった。
生徒さんもすごい。すばらしいテクニックに驚いた。先生も太鼓判。重要な役割を果たしたのは通訳。音楽に通じているであろう通訳の女性の聡明なしゃべりは、無駄なく的確だった。

あれからずいぶん時間も経ってしまい、記憶もかなり曖昧になってしまったが、自分のなぐり書きメモを見て思い出し思い出し、教えていただいたことを書き連ねたいと思う。(*なにぶん素人のため、間違いや曖昧な表現もあると思いますが、訂正やお気づきの点はコメント欄にどうぞ。)
 
    

           

全体を通して、先生は“柔軟性・しなやかさ”を強調していた。フルートは吹奏楽器で、息が命。身体と音は連動している。その息が出てくる身体はしなやかでなくてはならない。リラックスして、ひざを自由に、お腹の支えも実はリラックスしていて、硬くなる位置、部分は音によって変動する。あ~確かに、ただお腹に力を入れると、身体全体が硬くなってしまう。力の移動をイメージすれば、なんとなくわかる。

また、演奏するときに、自分なりにイメージを持つことで、いろんな音色が出せる。そうしたとき、初めてこれが音楽だと観客を納得させられる。楽譜に書いてあることを完璧に演奏するということは感情に裏づけされていなくてはならない。感情の裏づけがあるからこそ、そこにフォルテがあるのだと。たとえば、カルメンはストーリーがあるから、感情移入は比較的簡単。しかし、モーツァルトは音符の羅列から感情を読み取らなければならない。(*公開レッスンの受講曲がモーツァルトのコンチェルトDdurとボルヌのカルメンファンタジーだった)たとえば繰り返しのインターバルが小さいからカンタービレとか、また、倚音(いおん)を十分歌うことで表情豊かに表現するとか、しかもスラーがついているからなめらかにそのあと解決し落ち着きを持つとか。そうやって楽譜の中味に興味を持ち読み取ることにより、感情を音に投影することが重要だと。あ~これ、先生にいつも言われていたことなのに、苦手だったな。なんとなく、はできるけれど、アタマで考えることから逃げてたな~


常にポジティブに考え、練習することが大事である。「できない、難しいから練習する」のではなく、「これができるために練習する」のだと。これも、自分にはムリって決めつけて、自分で限界作ってたし。先生によく言われたっけ


そして、練習はいくつかの小さな積み重ねである。小さな部分・音色の変化・こだわりが大切。そして、指導者は、それらのちょっとした、本人がわからないような違いを教えて、自覚・認識させてあげなくてはならない。ちいさな変化でも、ほめて伝えることが重要。うん、自分はそうされてきたな
また、時に、ホールなどの響く場所での練習も必要。普段の狭い場所で吹くときと、ホールで吹くときの反響が返ってくる響きの違いを認識させることが重要である。

     
           


ほとんどが、今まで私が指導していただいた三人の先生が、いつもおっしゃっていたことだ。私はなかなかそれを演奏に生かすことができなかったけれど。学生のころお世話になった田野秀康先生と奥さまの道子先生には、音楽の楽しさを教えていただいた。まるっきり音楽の素養のない私の、それでもがむしゃらに表現しようとするところ(シャーフ先生がおっしゃった、根拠ある表現ではないけれど、そのときの私のレベルに合った表現)を否定せずに伸ばしてくださった。子どもが大きくなって、フルートを再開した際お世話になった高橋雅博先生は、劣等感でつぶされそうな私(社会人オケに入ったものの、へたくそで吹くことも怖くなっていた)を、淡々と、でもゆっくりとひきあげてくださった。「人は人、できると思って練習しなさい」と。

本当に、出会いって不思議。この3人の先生にめぐり合えたことに感謝感謝。それなのに、私はそのすばらしい指導をきちんと身につけることができずに現在に至ってしまいもったいない限り。しかし、同時期に習っていた生徒の中には、すばらしい演奏をする人たちがたくさんいた。ま、私だって私なりに進歩したし、これまで音楽を、フルートを嫌いにならずに、楽しむ程度に吹き続けてこられた。その間、音楽を通してたくさんのすばらしい仲間に出会えたことも、私の財産。
これからも、いろいろな形で、音楽を楽しんでいきたいと思っている。音楽のすばらしさと、よい音よい指導者との出会いの重要さをしみじみ感じます。

そんなことを思い出させてくれた公開レッスンでした。
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コメント
フルート
ボクは音楽のことはよくわかりませんが
いぜんフルート奏者の人がコインロッカーに
預けた楽器が盗まれたとか騒ぎになって
なぜかすぐ見つかった事件?がありましたね
あれはいったいなんだったんだとダッタン人が踊ります
2008/12/22(月) 17:04 | URL | TOMA #-[ 編集]
公開レッスンって、ものすごく刺激になるよね。私も何回か子供のピアノの関係で見に行ったことがあるけど、いつも言われている事でも、新鮮に聞こえると言うかi-278・・・。
私は音楽とかけ離れた生活をしてきたけど、今になって音楽の表現力や訴えたいもの、「うたう」と言う事がどういうことなのか何となく分ってきましたi-230子供の頃に理解していたら、バイエルでは終わらなかったはず・・・i-278
それに曲のとらえ方1つでも、曲自体が違って聞こえるしねi-179音楽は奥が深いわぁ・・・。
2008/12/22(月) 22:23 | URL | あみこ #tYUjU5h2[ 編集]
なるほど~!
なんとなくずっと考えてた事が、mayuiさんの記事で確信に変わったよ。

公開レッスンでの内容は、人生そのものの指針だよね。どんなパターンにも当てはめれる。

それに、mayuiさんが三人の先生に教わってきた事は、フルートだけに収まらない大事なことなんじゃないかな?
だから、mayuiさんが
>そのすばらしい指導をきちんと身につけることができずに現在に至ってしまいもったいない限り
って、落ち込むことは無いと思います。
きっと、他の何かにちゃんと活かされてるんだよ。

それにしても、広い場所での練習の重要性は、ホントそうだわ!第二練習室だけではダメだわよね!
2008/12/22(月) 22:44 | URL | おはる #50L88GvM[ 編集]
v-266TOMAへ
ぎゃはは~~かな~り詳しいくせにぃ~~
ああ、あったよね~そんな事件。そんな高価な楽器、ロッカーに入れる?って思ったよ~しかも2本だった記憶が・・・

v-266あみこさんへ
そっか~ピアノの公開レッスン、娘連れて行ってみたいわ~でも、娘、コンサートとか退屈でイヤっていうくらいだからさ~(悲)
子どものころ理解していたら、気づいていたら・・・自分は今ココにいないって思うこといっぱいあるよね~きゃはっv-15

v-266おはるさんへ
そうですね~なにごとも、音楽に限ったことではない。そう考えると、ひとつひとつの小さな物事に執着しなくてすむかも。学んだことをいろんなことに生かせれば、とってもシアワセな気がする。
2008/12/24(水) 08:46 | URL | mayui #npNid/5k[ 編集]
はじめまして。すんごく古い記事にコメントして失礼します。
私も、田野先生ご夫妻についていました。北上から通っていました。
あれから15年たって、子どもが大きくなったこともあり、フルートを再開し、さらに3年がたちました。
私も、フルートを吹くたびに、田野先生の言葉が思い出され、懐かしくなりました。
嬉しかったのでコメしました。あしからず
2009/06/19(金) 23:41 | URL | 通りがかり #-[ 編集]
うれしいです!
v-266通りがかりさんへ
とぉ~~ってもうれしいです。コメントありがとうございます。
そうですか~なんかお会いして語り合いたいくらいです。そうですよね、あのときのあの言葉、そのまま思い出されるときもあるし、あのときとは違った意味で「あ~こういうことだったんだ~」ってあらためて思うときもあって。よい指導者に出会えて、お互い幸せでしたね~v-238
2009/06/20(土) 08:59 | URL | mayui #npNid/5k[ 編集]
ちなみに現在は
ご夫妻で沖縄にて牧師をしていらっしゃるようですね。
ネットでみかけただけですが。
タラントがたくさん与えられているようで、ステキなご夫妻ですよね。

私が今習っている先生を見つけるまで、某Yなどで体験レッスンをしたりして、先生探しをだいぶしたのですが、やはり初めに習った田野先生と全然ちがう方向性をお持ちの講師も多く、かなり迷いました。
ホイホイと別のタイプの奏法の先生に乗り換えることも出来ないほど、田野先生の教えは私にとって絶大でした。

幸い、今の先生は吹き方を無理矢理変えたりしない先生なので、安心しています。
ほんとうに、初心者の時に良い先生に出会えて幸せでしたね。
2009/06/20(土) 12:34 | URL | 通りがかり #-[ 編集]
うんうん
v-266通りすがりさんへ
そうですよね~また奥様の道子先生ステキでね~おふたりのご夫婦のきずなを思うと、今の私は「ひでぇ~妻」って反省しきり。ま、反省しても、実生活には生かされませんが・・・
 
ですね~わかりますわかります。指導者もさまざま~~通りすがりさんもご苦労されたんですね。

田野先生に「ソノリテ」「ソノーレ!」って、言われながら、どんどんのせられていくレッスン、懐かしいです。
2009/06/21(日) 08:57 | URL | mayui #npNid/5k[ 編集]
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プロフィール

mayui

Author:mayui
夫1人、娘2人の専業主婦
盛岡市出身、秋田に嫁ぎ15年、最近名古屋の近くに引っ越しました。
好きなモノ:チョコ付きコーヒー、マンガ、テレビ
好きなコト:材料を買う、モノを作る、人に見せる。いろいろな作家の手芸本を買って眺めながら、作りたいものを考える時間も好き。下手なフルートを吹くのも好き。へび年のいのしし座

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